先生
高校時代、サッカー部顧問の先生はご自身のことを「先生と呼ぶな!
監督とも呼ぶな!グランドで一緒に戦うからコーチと呼べ!」と仰って
いました。
今から約25年前、まだ“コーチング”って言葉も無かった社会環境で!
「さすがに○○先生は先見性が有ったのだな~」と改めて尊敬。
今でもお会いすると先生でもなく監督でもなく「コーチ」って呼ばせて
頂いています。
長い間、私は「先生」と呼ぶのは教師と医師だけだと思っていました。
ですから、私のことを「先生」と呼んで頂くのはかなり抵抗があります。
そんな私にも、教師や医師ではございませんが心から「先生」と呼べる
方がいます。
その方は2007年5月に3泊4日の管理者研修を受講した際の講師。
その研修は今思い出しても・・・おぞましい記憶が甦る(笑)
正しい挨拶を大声で徹底的に反復する「声出し」で研修スタート。
挨拶の発声練習は声がつぶれてかすれた声になってもお構いなし。
一見単純な「挨拶訓練」、無心になって叫ぶだけの時間が延々と続く。
研修時間以外に、廊下ですれ違った見ず知らずの人に対しても大声で
正しい挨拶をするように仕込まれます。
社会人としてのマナーと管理者としてのコミュニケーションに関して、
反射的に対応できるようになるまで体に叩き込まれ、脳ミソに汗をかく
ほどの知識を詰め込まれるのです。
丸二日ほど費やして受講者全員が正しい挨拶を体得できた段階になって、
ようやく研修の本題に入ります・・・まさに地獄の3泊4日。
その講師、いえ「先生」は私にとって「教師よりも先生らしい先生」
でした。
話し方・話す内容・話す姿勢と聴く姿勢
挨拶・身だしなみ・歩き方などの身のこなし方
休憩時間に頂いたアドバイス・食事中の作法・終業式で頂いた激励
四六時中、非の打ちどころがないスーパーマンのような方でした(笑)
本日、その「先生」と3年半振りに再会。
私は朝からソワソワしつつ、待ち合わせ場所であるJR天王寺駅へ
15分前に到着して直立不動で先生をお出迎え。
駅構内の激しい人混みも気にせず、大きな声で「こんにちは!」(笑)
近況報告や人材育成に関する考え方を聴いて頂きながら、指導する
立場として必要な「感性」や「資質」について、身をもって改めて
お教え頂いたような時間。
周囲から「先生」呼ばわりされると、その言葉に溺れて心地良さに
居座り、初心や謙虚さを忘れてごう慢な態度になってしまう・・・。
そうならないために、指導者自身が持つべき「感性」や「資質」に
ついて。
ありがとうございました。