「安全も優先」ではなく「安全が優先」
ある運送会社の安全管理者様から「交通事故が減らない」とのご相談。
お送り頂いた事故関係の資料を拝見すると「追突事故」が多い・・・。
以下は私から返信したメールです。皆様のご参考になれば幸いです。
●●部長様
いつもお世話になります。
お送り頂いた資料を拝読しました。
気になるのは同様の事故が続いて発生している点です。
特に追突事故が目立ちます。
追突事故の要因は「脇見・漫然・覚低・居眠り」などドライバーの
精神状態や体調が影響することが多い。
言い換えれば「運転業務や仕事に対する考え方」が間違っている
場合に、多く発生するのが追突事故です。
技術的なことが要因ではないことが多いのも追突事故の特徴です。
正しい「運転や仕事に対する考え方」を伝えるには、日々の点呼時を
含む日常的な会話による指導が効果的です。
今一度、現場(人)を見て現場の声(会話)を聴いてください。
「安全が優先」との雰囲気が貴社内で低下していませんか?
もしくは「安全も優先」になっていませんか?
安全確保の担い手は各事業所の責任者だと思います。
責任者の安全への考え方が管理者の仕事の優先順位に影響します。
管理者の安全への考え方が、ドライバーの運転行動に表れます。
私なら「安全が最優先の社風」確立に向けた管理者教育に注力します。
現在、貴社の安全研修は数カ月に1回のペースで開催されていますが、
業務都合等による欠席者も否めません。
安全対策は放置すれば風化してしまいます。
『管理者が研修に欠席したドライバーに安全研修の内容を伝達したり、
研修に出席したドライバーには履行状況の確認を行っていますか?』
ぜひその点もお教え頂ければと存じます。
皆様いかがでしょうか?
同様の事故が続く場合は、事故に対する反省と対策が不足しているかも
しれません。
もしくは原因と対策の見つけ方が間違っているのかもしれません。
事故防止への執着心が薄れて「これだけの台数が運行しているのだから
数件の事故は仕方がない」とか、「軽微な事故ならセーフ」との解釈を
されているのかもしれません。
私が一番伝えたかったのは「安全も優先」ではなく「安全が優先」との
考え方。
管理者がそう考えていなければ、言葉や行動において気付かないうちに
安全を軽視してしまい、一向に事故は減らないってことです。
言い換えれば、最優先にしている思いは叶うってことです。
そして、誰もひとりとして事故をしたいドライバーはいません。
だから管理者はドライバーの親身になって「早く・熱く」時には「厳しく」
指導してほしい!
その指導がドライバーへの本当の優しさであり、愛情表現のひとつだと思い
ます。
危険な事故からドライバーを守ることが管理者の最優先すべき任務です。
それでは繁忙期の今週もご安全に!
ありがとうございました。